史跡 城山横穴群
一般公開
公開中 入場無料 (駐車場あり)
※危険ですので斜面には登らないでください。
九州最大規模の横穴群 田川初の国史跡「城山横穴群」
県内でも横穴墓の集中地帯として知られる遠賀川流域。その支流である彦山川と中元寺川の合流部にある「城山横穴群」は、6世紀前半〜7世紀前半にわたって造られた横穴群です。
平成20年から福智町教育委員会が5年にわたって調査し、222の横穴墓と12の墳丘を確認。その数と規模、密集度と貴重な出土品が高く評価され、国の文化審議会が新たな史跡に指定するよう文科相へ答申し、平成26年10月の官報で、田川市郡では初となる「国指定史跡」の正式な指定が発表されました。
「城山横穴群」は標高21~39メートルの西金田の丘陵上に位置し、南北約2万平方メートルにわたる九州最大級の横穴群です。近世から金田手永(大庄屋)六角家の敷地の一角として手付かずのまま残された貴重な史跡であり、山頂一帯では「城山」の地名にも由来する中世の城郭跡も確認されています。福智町の歴史的特性を理解するうえでも重要な遺跡であるとともに、規模や密集度の点で全国にも比肩するほどの価値がある、わが国を代表する横穴群です。
整備前の城山横穴群
斜面に密集する横穴墓
城山横穴群からの出土品
坏(つき)に入れ、お供えされたハマグリ
赤枠内が城山横穴群全体の範囲
横穴分布の多い西側斜面を整備
平成29年3月に城山横穴群保存活用計画を策定し、特に横穴分布の多い西側の斜面に範囲を限定して整備を行い、令和3年4月、整備完了に伴い一般公開を開始しました。
今回整備した範囲には31基の横穴墓が確認されています。横穴整備としては初となる、土と再生繊維を混ぜて吹き付ける、特殊な工法を用いて遺構の展示と保存を両立させる工夫がされています。
Y73号墓内から出土した人骨
横穴の1基から希少な人骨が出土
整備した横穴の1基(Y73号墓)からは、人骨3体が出土しました。入口が密閉され気密性が高かったことなどから原形を保っていると考えられ、ここまで保存状態の良好な人骨の出土は希少な発見です。
横穴墓の内部を3D画像で確認
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レプリカ展示施設で横穴内部を精巧に表現
史跡では、南側丘陵の特に保存状態の良好な横穴(Y133号墓)を再現したレプリカ展示を行っており、石組みをした入口である羨門(せんもん)部と、玄室内部を見ることができます。
また羨門部には彩色が施された形跡があり、九州歴史資料館が分析した結果、首里城にも使用されたベンガラと呼ばれる赤色顔料であることが分かりました。これは葬送の際に魔よけの装飾を施していたことも想定される、類似例の少ない貴重な発見です。
約7平方メートルの玄室内部を再現
レプリカ展示施設の外観
南側丘陵のY133号墓
羨門部に施された彩色の跡
ガイドブック・調査報告書
城山横穴群の所在
住所:福岡県田川郡福智町金田715番地1
※平成筑豊鉄道金田駅より徒歩8分
- この記事に関するお問い合わせ先
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福智町埋蔵文化財センター
福岡県田川郡福智町赤池970番地2電話:0947-28-9111