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数千の杉に囲まれた空間、枝を広げ、その桜は立っていました。
推定樹齢600年、県内最大のエドヒガン「虎尾桜(とらおざくら)」。
かつて、福智山の霊木としてあがめられた桜です。
やがて、時代に忘れ去られ、人知れず散り、朽ち果てようとしていました― |
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| 朝霧に浮かぶ虎尾桜 |
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新緑の山の谷間で、待ちわびた春を謳歌するように、可憐な花を咲かせる一本の桜があります。
虎尾桜(とらおざくら)。 人々は親しみを込めて、そう呼んでいます。
毎年およそ5000人もの花見客を魅了する桜は、20年近く前まで、ほとんどの人が、その存在すら知りませんでした。
人に忘れ去られ、福智山の中腹に立ち続けた一本桜。
人の手によってその命を吹き返しました。
その秘められた奇跡の物語をたどります。 |
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